6月 4th, 2014

Not My First Rodeo

(初めてではない)

 

今年の春のキャンプで年頭の挨拶をしたワシントン監督は、そこで一人の選手を讃えた。2012年に肘の手術、2013年をリハビリに費やした後、2014年は招待選手としてメジャーキャンプに参加したコルビー・ルイス投手だ。もちろんメジャーに上がれる保証はなく、最後の野球人生をかけた勝負だった。ワシントン監督はルイス投手の諦めない姿勢をお手本にしてほしいと他の選手に告げた。

 

日本の野球ファンには、広島カープ時代のルイス投手の印象が強いかもしれない(特に場外ホームラン)。アメリカに戻ってきて2010年にレンジャーズと二年契約し、その二年ともレンジャーズはワールドシリーズ出場を果たしただけに彼の貢献度は計り知れない。しかし、2012年に肘を痛め手術することになった。

 

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そのルイス投手は4月中旬一年以上のブランクを克服し、メジャー復帰を果たした。今では欠かせない先発投手の一員である。 復帰初戦となった4月14日対マリナーズ戦の前日、彼は記者にその時の心境を聞かれ、こう答えた。

 

「It’s not my first rodeo」

 

直訳すれば「これは初めてのロデオではない」。ロデオとはカウボーイが荒れ狂う牛の背中に乗り、どれだけ乗り続けられるかを競う度胸試しのような競技だ。意訳すれば「大丈夫。(メジャーで投げるのは)初めてではないから」になるだろう。ロデオという激しい競技を人生経験そのものに例えるアメリカならではの言い回しだ。メジャーで良いシーズンもあれば、そうでなかったシーズンもある。野球を諦めかけたときもある。日本での経験もあれば、ワールドシリーズの経験もある。野球人生の山も谷もすべて経験しているルイス投手にしてみれば、今シーズンの復帰も長い野球人生の一コマにすぎない。そんな彼の口からこの言葉がでたのはごく自然なことだろう。

 

先日、若手のペレス投手が肘の手術を受ける事を発表した。最初は不安を隠せなかったが、肘の手術を克服し復帰に成功したルイス投手の助言を受け、安心したという。人生における最良の教師は「経験」なのかもしれない。