7月 26th, 2014

Players Win Games, But Teams Win Championships

選手が勝ち取る一勝、チームで勝ち取る優勝

 

 

明日、ニューヨーク州、クーパーズタウンで野球殿堂の表彰式が行われる。人口1800人の街に、今年はなんと4万人がセレモニーのために来訪するという。殿堂入りするメンバーを見れば、それも納得がいく。選手では、ホワイトソックスの元主砲フランク・トーマス氏、ブレーブス黄金時代を支えた二人の元先発投手トム・グラビン氏とグレッグ・マダックス氏。監督では、ブレーブスの黄金時代を築いたボビー・コックス氏、アスレチックスやカージナルスでチームをワールドチャンピオンに導いたトニー・ラルーサ氏、そして常勝ヤンキースのブランドを作りあげたジョー・トーリ氏だ。

 

私がこの仕事をドジャースで始めた時、監督はトーリ氏だった。2008年、フロリダ州ベロビーチで最後の春のキャンプを迎えたドジャース。そこでの年頭の挨拶でトーリ氏は、こんな言葉を選手達に伝えた。

 

Players Win Games, But Teams Win Championships.

 

訳は上記の通りだ。試合は個々の選手の活躍で勝ち負けが決まることが多い。ヒット一本、ホームラン一本で決まる試合もたくさんある。投手が圧倒的なピッチングをし、チームに白星をもたらすこともある。しかし、長いシーズンを考えれば、「優勝」という最終ゴールにたどり着くにはチーム全体の貢献がない限り不可能だ、ということだ。

 

12年間ヤンキースの監督を務め、そのうち地区優勝を10回も果たした。6回ワールドシリーズで戦い、頂点に達したのは4回。そんな履歴を持つ監督がいう言葉は一つ一つに重みがあり、説得力があった。若手が多かったドジャースの選手達は監督の言葉を信じ、その年も翌年も地区優勝を果たした。

 

監督として名を揚げたため、現役時代の活躍が影を潜めてしまったが、60年代から70年代にかけて18年間プレーし、その半分の9回もオールスターに選出されている。1971年には最優秀選手賞も獲得しているほどだ。その年は打率.363という驚異的な数字を残している。この写真をご覧の通り、日米野球にも参加した。

 

Oh_Torre

 

一つ、トーリ氏に関する逸話を紹介したい。3年間ドジャースで一緒に仕事をさせていただいたが、数知れない会話は興味深く楽しかった。ある日、試合前の練習中にベンチで二人だけになった時のことだ。

 

「監督、今、このチームに将来監督になると思う選手はいますか?」と聞いてみた。少しフィールドを見回し、二人の名前を挙げた。そのうちの一人は、今年からタイガースの監督に就任したブラッド・オースマス氏だ。もう一人はまだ現役を続けている。もしその選手が将来監督になったら、トーリ氏の先見の明に脱帽する。

 

ほんの少しの期間だが、一緒に仕事ができたことは光栄である。野球殿堂入りを心から祝福したいと思う。